
「イヤイヤ期が終わって落ち着いたと思ったのに…」
「4歳になってから、急に反抗的になった…」
そんな風に感じていませんか?
実は、『4歳の壁』と呼ばれる、発達過程での大きな変化があります。
わが子も現在4歳。イヤイヤ期を乗り越えホッとしたのも束の間、また新たな『壁』との戦いが始まりました。
この記事では
・4歳の壁の特徴
・子供への接し方、対処法
について、具体例を交えてご紹介します。
「なんでこんなに怒るの?」
「どう接したらいいの?」
と悩んでいる方の助けになれば嬉しいです。
4歳の壁の特徴とは?
4歳の壁ってなに?
『4歳の壁』とは、4歳前後に直面すると言われる、発達上の変化や育児の難しさを指す俗称です。言葉や身体能力が急激に上昇するものの、感情面の発達が追い付かず、反抗期のように『いや!』『だめ!』と言ったり、甘えたりといったような行動をとるのが特徴で、半年〜1年ほど続くこともあります。
4歳頃のわが子の様子
わが子に見られた、『4歳の壁』に当てはまる特徴を3つご紹介します。
①『何回も言ってるじゃん!』と怒る
幼稚園に行く準備をしているとき、何度言っても靴下を履かない息子に
「時間がないから、早くしてね」
と声をかけたら、
「分かったって、何回も言ってるじゃん!」
と逆ギレ。
②親をペチペチ叩く
少し強めに注意したり、自分の思い通りにいかないことがあると、
『いや!』
と言って、軽くペチペチ叩かれる場面が増えるようになりました。
③積み上げたおもちゃが崩れて怒る
レゴブロックや、積み木のおもちゃなどで高く積み上げて遊んでいたものが崩れると
『もうやだ!』
と怒って、部屋におもちゃを投げ散らかしたりして、自分の感情をコントロールできていないような様子。
4歳の壁の主な特徴
『4歳の壁』に当てはまる特徴を4つ紹介します。
①今までできていたことを急にやらなくなる
例:自分で着替えていたのに「できない!」と甘える
→4歳になると、「自分でやりたい」という自立心が強くなってきますが、それと同時に、「まだママやパパに頼りたい」という甘えたい気持ちも残っています。
その葛藤の中で、わざとできないふりをする、「やって〜」と甘えるなどの行動が見られるようになります。
②反抗的な言葉遣いや行動をする
例:「バカ!」「ママなんかいらない!」などの暴言
→4歳頃は、「怒り」や「悔しさ」などの感情がはっきり芽生え始める時期。でもそれを言葉や行動でうまく表現する力が未発達なため、反抗的な態度や暴言を言ったり、「手が出る」といった行動になってしまうのです。
③嘘をつくようになる
例:おやつを食べたのに「食べてない」と言い張る
→「怒られるかも」「恥ずかしい」という気持ちが芽生え、守るための嘘をつくことも。
④親の言葉を無視するようになる
例:話しかけてもわざと無視して無反応
4歳頃は、「自分の意思を持ちたい」「コントロールされるのはイヤ」という思いが強くなったりします。そのため、あえて無視をしたり、聞こえていないふりをして、親の反応を観察することがあります。
これは『試し行動』と呼ばれ、親に愛されているか、どこまで許されるかを探っていることもあります。
『試し行動』とは大人の愛情を確認するためにわざと困らせたりして反応をうかがうような行動などを言います。
男女での違いも
また、すべての子どもに当てはまるわけではないですが、
男の子は手や足が出やすい(叩く・蹴るなど)
女の子は口で反撃する傾向(口達者・言い返す)
こうした傾向が見られることは多いようです。
『4歳の壁』の乗り越え方や子供への接し方・対処法
我が家でも「どうしたらいいのか?」と心配になるほど大変な時期がありました。
でも、いくつかの工夫を重ねたことで、親子関係も気持ちも少しずつ穏やかに。
①子どもの感情を理解して、受け止めてあげる
子どもが怒っている時、「どうしてそんなことで怒るの?」と思うこともありますよね。
でも、その感情を否定せず、まずは共感することが大切です。
<例>
「積み木が崩れて悔しかったんだね」「できなかったのが嫌だったんだよね」
「わかってくれてる」と感じることで、子どもの気持ちは少し落ち着きます。
②親がイライラで返さない
つい、子どもの怒りに対してこちらもカッとなってしまいがちですが、
“大人が冷静であること”が、一番の安心材料になります。
<例>
子「ママなんかキライ!」
親「嫌な気持ちになったんだね。でもそういうひどいことは言っちゃダメだよ。」
落ち着いた対応をすると、不思議と子どもも素直になってくれることがあります。
③危険のない範囲で挑戦させる・意見を尊重する
4歳は「自分でやりたい!」という気持ちが強まる時期。
危なくなければやらせてあげる勇気も必要です。
<例>
着替え、食事、お勉強(ひらがな、数字、英語など)
『できるのかな…』と言った不安があるかもしれませんが、意見を尊重し、挑戦させてあげましょう。
少しづつ、成功体験を積むことで、「自分でできた!」という自信に繋がっていきます。
④前向きな声かけを心がける
否定的な言葉よりも、「できたこと」「頑張ってること」を褒める声かけが効果的です。
<例>
「お片付け上手にできたね!」「ひらがなすごく上手に書けたじゃん!」
「前向きな声かけ」をすることで、子どもの自己肯定感を育て、感情のコントロールをサポートすることに繋がっていきます。
まとめ『4歳の壁』は“成長の証” 子供の心と体の成長を見守り、一緒に乗り越えよう

『4歳の壁』はとても戸惑う時期かもしれません。
でもこれは、子どもが心も体も大きく成長している証です。
4歳になると、言葉も行動もどんどん自立に向かいますが、感情のコントロールはまだ未熟。
そのため、甘えと反抗の間で揺れ動きながら、「どうしたらいいんだろう」「どうやって気持ちを伝えればいいんだろう」と模索しているのです。
親にとっても試されているように感じる時期ですが、次のような接し方を意識することで、お子さんの成長につながっていく後押しになるでしょう。
✅ 子どもの気持ちを否定せず、まずは受け止める
✅ 親自身がイライラせず、冷静な対応を意識する
✅ 安全な範囲で自由に挑戦させ、自信をつけさせる
✅ 前向きな声かけで、子どもの成長や努力を認める
「何ができたか」だけではなく、
「どんな気持ちだったのか」「どうしようとしていたのか」に寄り添うことで、
子どもの心は少しずつ安定し、自分の感情を言葉にできるようになっていきます。
大変な時期ですが、これは永遠に続くわけではありません。
この壁を乗り越えた先に、よりたくましく、優しい子どもの姿が待っています。
どうかあなた自身も責めすぎず、ひとつひとつを一緒に乗り越えていきましょう。
親子の絆がより深まる貴重な時間になりますように。